おっさんの仏教メモ

引っ越ししました。

良寛さま(4)食うも平気、食われるも平気

「続良寛さま」より引用

食うも平気、食われるも平気

 

ある日良寛さまは托鉢の途中、ある村の茶屋の縁ばなに腰をかけてお昼のごはんを食べていました。その家は良寛さまがときどき行く家だったので、うちの人たちは良寛さまの好きな食べ物をよく知っていました。

その日のおかずはニシンのコブマキでした。良寛さまはそれを見ると、いかにもうれしそうな顔をしました。ちょうどその時、その店に一人の若いお坊さんがやはりお昼ごはんに食べに入ってました。その若いお坊さんも良寛さまと同じような托鉢姿をしていました。しかしそれは良寛さまに見覚えのない人でした。どこか他国から行脚に来た修行中の雲水さんなのでしょう。

茶屋のおかみさんは、その坊さんのところにも良寛さまと同じようにニシンのコブマキをおかずにして御飯を出しました。するとそのお坊さんはひどく怒ってどなるようにいいました。

「何だ。これはなまぐさいものじゃないか。わしは出家の身だ。それがお前にはわからんのか。わしはこんなけがらわしいものを食うような人間じゃないぞ。あそこにいるあの生臭坊主とはちがうんだ。人を馬鹿にすにも程がある。こんなものはサッサと持ってってくれ、そして何でもよいから精進料理を持ってくるがいい」

おかみさんはそのケンマクに驚いて、あわててお膳をひっこめました。そしてほかのなまぐさくないものを持って来るために奥に入りました。しかし良寛さまはその若いお坊様の言ったことなんかは耳に入らなかったというような様子で、平気でうまそうにニシンのコブマキをおかずにして御飯を食べていました。

ところが不思議なことに、その晩良寛さまはその若いお坊さんと同じ家に泊めてもらうことになりました。それはある村のきたないお百姓さんの家でした。しかも良寛さまと若いお坊さんは、その家にひとつしかない蚊帳の中に床をならべて寝ることになりました。

そこで良寛さまはいつもの通りに堅い木の枕に頭をつけるが早いか、すぐにもう大きなイビキをぐうぐうかいて深い安らかな眠りにつきました。

しかし若いおぼうさんは蚊帳がところどころ破れていて中にたくさんの蚊がはいっているうえに、蚤がざわざわいてとても眠ることができませんでした。起きてみたり、ねてみたり、蚊を追ったり、蚤を苦にしたりして、若いお坊さんはとうとう朝まで眠ることができませんでした。

若いお坊さんはそんな風に夜中苦しみ続けていましたが、夜がうっすらと明けかけるとたまらなくなって外に出て苦し紛れの散歩をしました。

そしてすっかり朝になるのを待って戻って来ました。ちょうどその時良寛さまは目を覚まして、大きなアクビをしました。

若いお坊様は良寛さまに向かって言いました。

「あんたは何てタワイのない人でしょう。あの蚊も蚤も少しも気にならないとは妙な人ですね。わしはとてもたまらないので、とうとう眠らずにしまいましたよ」

それを聞くと良寛さまは大きな声で

「アハハハハ」と笑いました。

そして言いました。

「イヤ、それは気の毒じゃったのう。そこへ行くとわしはしあわせものじゃ。蚊だろうが蚤だろうが、鬼だろうが、悪魔だろうが、わしは食われるのは平気じゃ。その代わりににニシンのコブマキだろうが、ブリのサシミだろうが、食うのもまた平気じゃ。お前さまは昨日のナマグサモノは食わぬといわしゃったが、まあ食われるのがつらいうちには食うのもやめにしたほうが良かろうて、わしなんぞは食われるのも平気、食うのも平気じゃ、アハハハハ」

若いお坊様は良寛さまのこの言葉を聞いて、すっかり感心してしまいました。

 

 

まったくこだわりがありませんね。

基本的に仏教徒は何食べてもいいです。

こだわるほうがおかしい。

出されたものを美味しく食べればいいんです。

蚤や蚊に食われても平気、生きてれば食われることもありますから。

 

食われるのはイヤ、食うときも文句タラタラ

何にこだわってるんでしょ?

 

 

執着なし、不殺生、楽しく。

言うことないです。

 

生きとし生けるものが幸せでありますように。